4月9日付けで、首相や関係大臣、政党などとマスコミ各社に、以下の緊急アピール文を送りました。
自衛隊の即刻撤退を求める緊急アピール

自衛隊のイラクからの撤退を求めるという形で、三人の民間の日本人が人質になり、その生命が危ぶまれるという痛ましい事件が起こりました。武装勢力は三日以内に自衛隊の撤退が行われなければ、三人を焼き殺すと声明し、脅迫しています。

私たちは、この痛ましい事態は、米英に追随してイラク攻撃を断行させた日本政府が招いたものであると考えます。

福田官房長官は「派遣しなければテロは起こらないのか」といっていますが、「外国人を狙ったテロ」と「自衛隊の撤退を交換目的とした人質」は全く違うことは明白です。また、「撤退の理由はない」という言辞の中にも、自衛隊派遣が人道復興支援であったのかという反証がありません。

「戦争終結宣言」から一年たった今、イラク各地で勃発する抗議行動は、アメリカが解放軍どころか、侵略者とみなされていることの何よりの証拠です。アメリカの同盟国として、イラクの人々を殺戮し、その生活を破壊する戦争を真っ先に支持した国の軍隊が人道支援に来たなどと、誰が本気で信じるでしょうか。(言語の問題もありますが、自衛隊は世界的には「日本軍」としか認識されません。)

また、自衛隊員が派遣された地域も、非戦闘地域ではないことは、もはや明らかです。

自衛隊は即刻、撤退すべきです。

各国の民間の活動にもはるかに及ばない給水活動で見せかけの支援をするよりも、撤退によってアメリカの占領統治を支援しないと表明すべきです。

私たち「非戦を選ぶ演劇人の会」は、何よりも人命の尊重を最優先させるべきだと考えます。

日本政府は、この戦争を心から憂い、真にイラク国民の役に立とうとした勇気ある日本人、今井紀明さん、郡山総一郎さん、高遠菜穂子さんの釈放のために力を尽くすべきです。日本国政府に、この三人を見殺しにする権利はありません。

自衛隊のイラクからの撤退は「テロに屈する」ことではありません。

人の命とこの戦争と、人道復興支援についてを真に考え直すことです。命に復興はありません。

人質と、なった三人の命のため、自衛隊の人々の命のために、自衛隊はイラクから即刻撤退すべきです。

以上のことを強く求めます。

「非戦を選ぶ演劇人の会」実行委員

永井愛・篠原久美子・西山水木・くまがいマキ・野中友博・関根信一
丸尾聡・福島明夫・中山マリ・宮島千栄・猪熊恒和・清木場直子
一倉梨紗・小沢浩明・丸尾聡・斎藤憐・坂手洋二・明樹由佳・渡辺えり子
賛同者の皆さん