実行委員のコメント---くまがいマキ
4/15 午前 
comment on
4/16午後2時(日本時間)に戦闘が始まらないことを祈る
現在、米軍はスンニ派のいるファルージャと、シーア派のサドル師のいるナジャフをそれぞれ封鎖・包囲している。ファルージャでは、今まで何度か停戦が延期されていて、これは多分、人質をめぐる交渉と、米軍側の犯人引渡しなどの交渉が、なかなかまとまらないためなのではないかと考えられている。

4/14午後2時、更に48時間の停戦となった。
9.11から始ったブッシュ政権の「テロとの戦い」は、アフガニスタン攻撃を経て、現在のイラク戦争につながっている。現在、ブッシュ大統領と彼の政権は、9.11の責任問題と、イラク戦争の泥沼化に挟まれていて、それらが最緊急課題だと思われるのだが、大統領は、イスラエルやエジプトの首相らに、パレスチナとの領土の問題を提案したり、日本に来日した後、副大統領は、中国に行き、北朝鮮の核の証拠(何故か、パキスタンの人物の5年前のもの)について会談したりしている。そして、イラン・イラク戦争では、イラン打倒のためにイラク=フセインを応援していたアメリカが、フセインを倒した後、何故か今、イランにサドル師との仲裁を求めているらしいのだ。日本の森前首相は、ロシアに行き、北方領土問題をプーチン大統領と話し、イラクでの人質の問題の協力も求めている。水面下で、何かが行われているのだろうか?

人質のニュースが入ってきて、二日目くらいだったろうか、日本の外務省は、人質の救出のために、米英軍の特殊部隊に頼ることも検討しているとのニュースがあった。これは、どうも機密事項であったようで、外務省からもれたこともあり、多分、CPAや米軍関係から、日本は釘を刺されたのではないだろうか。日本政府は、アメリカ経由の情報に頼っているように見える。ここ数日の政府の沈黙は、人質解放の進展がないことももちろんあるだろうが、アメリカから情報をもらえない状態にある、またはもらえても、も喋ってはいけない情報なのではないかという気がする。
特殊部隊の存在が気になる。彼らにあまりメリットのない日本の民間人の生命を、米英の特殊部隊が最優先するとは思えないからだ。

人質解放の交渉が上手くいき、サドル師が交渉に納得して武装解除をし、停戦終了期限が、そのまま終戦になることを祈っている。なにかひどい攻撃がないことを祈っている。
3人の人質が無事保護され、自衛隊が何かに巻き込まれる前に、安全な場所に移動することを祈っている。イラク国民も米兵もこれ以上死なないことを祈っている。国連が早く仲介に入ることを祈っている。
4/13 午後 
comment on
ファルージャの悲劇
ファルージャヘの米軍の攻撃で、イラク人(武装した人と民聞人では、恐らく圧倒的に民間人が多いのでは?)700人以上が死亡し、2000人以上が負傷しているが、米軍は病院や救急車も爆撃しているのと、食料、医療品などを持ってかけつけた人々が米軍の封鎖で町に入れない状態のため、負傷者はただ血を流している状態だそうです。(現在停戦中ですが、この封鎖が解かれたかは不明)米軍が墓地への立ち入りを禁じているため、死者はサッカー場に埋められています。米兵の死亡者は70人程度。(ちなみに昨年からのイラク人の死者は1万人以上)

3月末にアメリカ人4人が殺害された事件はご存知だと思いますが、米軍はこれに怒って、攻撃を開始したようです。現在の停戦の条件にも、この4人の殺害犯の引き渡しが入っているようです。(アメリカでの報道は、4人は民間人とのことでしたが、実は、傭兵会社(いわゆる戦争屋)ブラックウォーター社員のようです。ただ、まだ名前など詳しい情報は報道されていないようです)

イラク全土にこの「ファルージャの悲劇」は伝わり、シーア派のサドル氏は反米一斉蜂起を呼びかけ、CPA(その内実は、アメリカ占領当局)に任命された統治評議会の面々も流石にこの惨事には見かねて何人かが辞任を表明し、現在、停戦交渉をしています。統治評議会のメンバーは、外国にいたイラク人が多く、イラク国民の多くにとって馴染みの薄い、名前の知られていない人達です。また、実質的な決定権も移譲まではないので、イラク国民は、ブレマーの傀儡統治評議会と呼んでいます。そのメンバーまでもが辞任をするような攻撃が行われたということです。また、ブレマーが構成した新イラク軍も同胞を殺すのは嫌だと言って、米軍への協力を拒否したそうです。6月末に、イラクの新政権への移譲とイラク国軍(この軍は米軍指揮下に引き続き置かれるそうです)を立ち上げることが決まっているため、アメリカは現在、掃討作戦を行い、それに間に合わせようとしています。しかし、余り知られていないことですが、アメリカが圧カをかけて国際刑事裁判所に決議させた「イラクでのアメリカの戦争犯罪を一年間問わない」という期限が6月末に切れるのです。それを知っている国連もこのファルージャの被害には、アメリカに一応の警告を発しています。

3人の日本人が人質となった時期、多くの外国人が人質となり、現在、人質の国籍や、米軍の占領に加担していたかどうかを調べて、ある者は射殺され、あるものは解放されています。現在、アメりカの同盟国だけでなく世界中がファルージャに注目しています。(詳しくは判りませんが、石油やその他の権益の請負会社の関係者も殺されているようです)

自衛隊は正式な文書でCPAの指揮下にあるそうです。アメリカ兵や武器の輸送もしています。(これは憲法だけでなく、イラク特措法にも反する行為です)ということは、イラク人にどう見えるかということではなく、CPAと日本政府の正式な了承のもと、自衛隊は米軍に戦争協力をしているということです。(もし首相がそんな事実はないといえばそれは嘘ですし、そんなことは知らなかったと言えば管理能力の無さからトップに立つべき人物ではないということが明らかになるでしょう)

三人の日本人が人質となったという報道が流れると、様々なボランティア、ジャーナリスト、NGO、NPOが彼らを救うため、一斉に自分たちに出来ることを始めました。家族のアルジャジーラ出演はごく早い段階で提案され、それぞれのコネクションを使って、出演のコーディネートがされたようです。また宗教指導者によるファトア(声明)を出してもらう提案もなされ、それもすぐに叶えられました。3日の期限で三人が殺されずに済んだのは、この二つが決定的でした。(この二つは北風と太陽になぞらえて、太陽の方法として提案されていました)政府がこれをコーディネートしたという報道もあるようですが、人質の安全が確認されれば、事実関係も明らかになると思うので、それを待ちたいと思います。

解放が約束された後、それが撤回された背景はいまだ不明ですが、ファルージャの停戦交渉が何度か延期されたことと関係があるとの見方が現在有力です。政府は撤回後の声明を出した仲介人の身元を怪しいとして、声明をまともに取り上げようとはしませんでした。しかし、人道復興支援に言っていると主張するならばイラクの現状をCPAからの報告を鵜呑みにするだけでなく、視察するのは当然のことです。撤回後の声明では、逢沢一郎副外相が米軍の掃討作戦が続くファルージャを訪問することが解放の条件の一つでした。現在行けば危険ですから、今行けとは言いませんが、外務省の責任者が停戦後に行くことは、人道復興支援にとって、緊急かつ急務のことであると思います。

イラク特措法では、自衛隊は、戦後処理をすることになっていました。また戦闘地域には派遣できないとされています。これはアメリカの同盟国のいくつかもそうで、それらの部隊は戦争をする能力がないので、比較的安全な場所に移動をさせられているようです。(アメリカの本音は、足手まといの部隊を助ける暇がない、ということかもしれません)ただ同盟軍のイラク撤退は、今後の国際世論や戦力、戦費の問題から大きなマイナスなので、各国の軍隊が撤退しないように各国に会談のために行っているようですが、撤退をする国も出てくるでしょう。(撤退の意思をすでに表明している国もあります)

ファルージャの悲劇が起こるまで、NGOやジャーナリストが、人質にされるということはなかったそうです。3人の人質の一人も「自衛隊が来てから、イラク国民の目が厳しくなり、やりにくくなった」と言っていたそうです。また、日本では共通の認識になっていないようですが、戦争や内戦や紛争の犠牲になった子供や女性を救うためには、危険を覚悟で、現地に行かなければ、死にかけている人や餓えた人を救うことは出来ないのです。外務省の「危険な地域に行くから自業自得だ」発言も、よく考えれば、矛盾していないでしょうか?イラクは危ないのでしょうか?危なくないのでしょうか?(サマワだけが危なくないのでしょうか?)

今、アメリカではベトナム戦争のような泥沼化、「戦後」の米兵の死亡者の増加、戦費の増加などで、ブッシュの責任を問う声が大きくなっています。しかしブッシュは削減する予定だった兵力を増派すると発言しています。これが一番心配です。今、自衛隊が撤退せず、ブッシュが掃討作戦を激化させ、イラク全土が蜂起したら、自衛隊員も当然攻撃の対象となるでしょう。6月末の期限に向けて、移譲どころではなくなった時、日本はどうするのか?ブッシュの支持率は、9・11の危機管理能力の無さが明らかになったこともあって、低下しています。イラクを米軍が制圧させることで人気を挽回することを考えているのかもしれませんが、イラク国民はファルージャの悲劇で、反占領統治では一致しています。

ブッシュ=アメリカと考える現内閣は、ブッシュと心中するつもりなのでしょうか?川口外相は劣化ウラン弾の被害は無いと言明していますが、ヨーロッパで使用停止が行われ、アメリカでも本格的な調査・補償請求が始まっていることを知らないのでしょうか?

自衛隊の即時撤退は、日本の国益にかなった行為であり、日本国内でのテロを画策するテロリストにテロの口実を与えないためにも、最重要かつ、当然の行動だと私は考えます。
また、そもそもアメリカは日本の憲法の内容をよく知っていますから、自衛隊派兵を望むという言い方は出来ても、要請をすることは出来なかったし、日本がノーと言えばあっさりあきらめた可能性もあります。(戦費負担は絶対あきらめなかったと思いますが)イラク国民の要請も自衛隊に関してはありませんでした。だから、本来、派遣しなければいけない理由は無かったのです。
* ここで引用した情報は、隠されているわけではなく、日本のマスメディアがあまり報道しないだけです。ネットで単語検索すれば、該当する情報が見つかると思います。

(今回一連の報道で一番腹が立ったのは、小泉首相が、人質の情報を聞いた後、安倍幹事長や報道各社論説委員と会食していたとの情報です。首相に連絡が入ったのは、6:45頃と川口外務大臣は記者会見で発言。首相が赤坂プリンスホテルを出たのが、8:40、公邸に8:58に到着。7:00には首相官邸に対策本部がおかれていたが、そこには寄らず、毎日新聞の10日付けには「普段と変わりなく、饒舌で上機嫌だった」と報じられているそうです)